小浜島の隣の石垣島でオニササを食べる 第3話

こんにちは。左足の親指が明らかに呪われているヒロサ~です。

最近、一眼レフカメラが欲しくて欲しくて窓越しのトランペットを欲しがる
少年のごとく、カメラをネット越しに眺めています。

小浜島の美しさや儚さなど写真で撮ってみたい・・・・いつも妄想しています。

さて、このオニササを食べるというだけのブログもまさかの
3回シリーズになってしまいました・・・・

でも、執筆時間は最高に楽しい時間となりました。僕はこの文章を笑いながら
執筆しました。皆さんも笑いながら読んでくれるといいなぁと思います。

石垣島のオニササ、本当に食べてみてください。

旅行に来たら、沖縄の物を食べたい気持ちは痛いほど
分かりますが・・・・後悔はしません。

それでは最終話です。楽しんでください!!

第1話
https://kohamajimablog.com/onisasa/

第2話
https://kohamajimablog.com/onisasa2/
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もたもたしていられない。
しかし、身体の神経と脳の神経がうまく繋げられず
身体が思うように動かない・・・

しかし考えてみると「焦り」とは恐ろしい。

本当は1秒先の行動を体に伝えなくてはならないのに
2秒先、3秒先の命令を与えてしまう。だから出来ない。

急がなくては・・・・急がなくてはならない。


しかし、もう、身はガラスケースの前に立ってしまっているし
顔もオニササマスターの顔をしてしまっている。

作り方を調べてる時間も、高校生に聞く度胸もない。あるはずがない。

おじさんになるまでにまとってしまった「プライド」を
脱ぎ捨てることが出来ずにいる。


一回、落ち着こうと息を大きく吸う。

ビニールとおにぎりとササミと調味料のポジションを確認する。

オニササの話を初めて友人から聞いた時のことを
思い出していた。

オニササの作り方も不思議でそんなのも
オニササの魅力の一つなのだ。

記憶よ!甦れ!

頭の奥底から友人の声が聞こえてくる。


「ビニールをとってササミを入れるわけさー」


ほうほう・・・・・それで?



「ビニールをとってササミを入れるわけさー」



・・・・ほうほう・・・・・・・それで?




「ビニールをとってササミを入れるわけさー」




親友が壊れたおもちゃみたいになってる・・・・・・

そこしか思い出せない。

しかし、僕は壊れたおもちゃみたいになっている場合ではない。
この両手、両足に血を通わせなくてはならない

頭の中で、レシピを作りどこがわからないのか調べてみる。

「まずは・・・・ビニールにササミ入れるだろ」

「ササミにケチャップとかソースかけるだろ」

「・・・・おにぎり?おにぎりは・・・・?」

ここだ!おにぎりの入れ方がわからないのだ。


ただ入れれば良いのか?ササミがビニールに入ってる中
どうやって入れるんだ??

友人の声が再び僕の頭の中に助言を与えに来てくれた。
よし!来い!友人!



「ビニールをとってササミを入れるわけさー」









頼む!あっちにいってくれ!







おにぎりの入れ方がわからないが、よく考えたら
おにぎりなんてビニールに放り込めば良いだけじゃないか。

大したことではない、と自分に言い聞かす。

さあ、行こう。

友人のアドバイス通りにビニールをとってササミを入れた。


友人よ、ありがとう。そしてさようなら。





さあ、次の行程にいこう。

ササミに好きな調味料をかけるのだ。

ガラスケースの横に並ぶ調味料コーナーに足を運ばせる。

ケチャップ・ガーリック―ス・マヨネーズなどが
ぶっきらぼうに並ぶ。

別れを告げたはずの友人が突然脳裏に蘇る。
調味料が思い出させてくれた。

ビニールを汚さないようにするわけさー。
ここで汚すのが一番駄目なわけさー」



そうか、ビニールにつかないようにササミにだけケチャップとか
付ければいいんだな。

ササミをビニールの中で、横にしてビヤー―っとケチャップをかける。

ああ、いける。これはいけるかも!

マヨネーズをビヤーっとかける。

ガーリックソースをビヤヤヤーーっとかける。

よし、第二行程終了だ。


続いて、本日の一番の鬼門である、「おにぎりを入れる」だ。

おにぎりが目の前に60個位並ぶ。

左手にビニール、右手にトング・・・・・

おにぎりの種類が多い。1個70円と破格だ。
「沖縄風炊き込みご飯(ジューシー)」
「しゃけふりかけ」
「ゆかり」・・・・・

え?ひょっとしてオニギリも

「これを選んだらダサい」
「これを選んだらクール」

とかTHE オニササワールドの掟があるのか???

おじさんにはわからない。

しかし考えてる暇など僕には無い。


よし、沖縄らしくジューシーでいこう。

トングで掴んで、ビニールに入れようとする。


・・・・・・

・・・・あ・・・・・・・・・・



左手のビニール内を見て驚愕してしまう・・・・・


あんなに気を使ったのに・・・・・・・
起きてはならないことが起きていた。

ササミから全ての調味料がはみ出してビニールの中が
グチャグチャだ・・・・・

地球には重力というものがあり、物質は地球の中心に引っ張られてしまう。

ケチャップやソースも、地球の中心を目指してしまったようだ・・・・



ビニールは透明な無垢な姿にはもう戻れない。

返品するか?

いやいやいやいや、絶対に無理だ。



ピンチ過ぎる。恥ずかしすぎる。



・・・・しかし、恥ずかしさもピンチも表情には出せない。

どうすれば良いのか?

・・・・・・

はっと気が付く。

・・・・・そうか・・・・僕は今、迷っているのだな・・・・

何かに迷った時は・・・・アレがあるじゃないか。



ドヤ顔だ。





降臨させていたオニササマスターの顔をゆっくり変化させる。



グチャグチャですがドヤ? 

不思議と怖い物は一切なくなる。


グチャグチャなビニールの中におにぎりを、えいっと放り込む。
もう、僕には迷いなど一切ない。


そして、いよいよ清算だ。


店員は、そのビニールを見て、僕が何の総菜を入れたかを
判別し、値段を算出しなくてはならない。

・・・・・・

上から、下から、横からビニールを眺めている・・・・・・



もはやビニールはタイトルをつけるとしたら


「この世の混乱」だろう。




不愛想な店員の顔が変化した。



若干、笑われている気がする



やっと彼女を笑わすことが出来てご満足だ。


「220円です」

安い。なんて安さだ。
この世の混乱が220円で買えるとは。

そして、お金を支払うと同時に訪れた安堵感と
共に外に出た。

日差しが瞳孔に刺さり、目に入る。虫が近くで鳴いている。


店先のベンチではカップルが煙草をふかしていた。

きっと、仲良くオニササを食べた後の一服なのだろう。

オニササを楽しんだ仲間として、仲間意識が働く。

このカップルにいつまでも幸せでいてほしいと思いながら
カラフルなベンチに腰掛ける。


あーお腹空いたね。

1人でつぶやく。

ノスタルジックな気持ちが再び蘇る。
いつかの少年が心にまた蘇る。

いよいよ、オニササを食べることにする。

さて、この、ビニールの中でササミとオニギリを合体させるんだったな・・・・

そう、今まではササミとオニギリは別々に袋に入っていたが
この行程で「合体」というのがあったのだ。

今まではオニギリササミだったものを初めて
「オニササ」にするのだ。

袋の中でササミの形に合わせるようにオニギリをつぶしていく。

もはやオニギリではなく、ササミのかけ布団みたいになっていく。

もにゅもにゅしたもんだからケチャップのせいでビニール内がまるで血まみれだ・・・・・

「この世の混乱」はさらなる混沌の世界へと突入していく。

しかし・・・・・出来た!!!

とうとう、オニササを自分だけの力で目の前に出現させることが出来たのだ。

感動をしているがさっきから良い香りが鼻腔にささっており
腹が減って仕方ない。


いざ!!!いっただきまーーーーーーす!!!!!!



がぶがぶ!!!

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・



うめーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!



ガブガブガブガブ!!!!!!



うおーーーー!!!



ガッツポーズを隠せない。



落ちたほっぺたにも気にせずかぶりつく。



ササミは想像以上のサクサク感。
ほどよいさっぱり感をケチャップやらソースやらがコーティング。
ジューシーのほんわか感。

全てが口の中でミックスされてとんでもないことになる。

口の中で宝石箱があふれ出す。


もぐもぐもぐ。しかも、食べ応えもたっぷりだ。

何口目でも美味しい。

ここまで・・・・美味いとは。

確かに、これはもはやオニギリでは無いし、ササミでもない。
二つの食品が合体し、調味料がその間を埋める潤滑油として
機能したら「オニササ」という一つの独立した
食べ物になっている。

サクサク・・・・

モグモグ・・・・

ジュッジュッ・・・・・

口の中で起きている奇跡に目をつぶり意識を集中させる。

そうか。

米の柔らかさとサクサクのコラボは、丼を食べてる時の
あの感じなのか。

手づかみで上司なササミ丼を食べているというわけなんだな。

・・・・これは片手で食べられるし味も最高だ。

なんて考えている内にあっという間に完食してしまった。

オニササのデビュー戦。

それは、満足感、驚愕、感動、を青空の下に与えてくれることになった。

余韻にひたる。

・・・・ああ、美味しかった。

しかし・・・・・もっと上手い作り方で作りもっと
調味料も自分好みに出来るしオニギリの種類もまだまだ豊富なので
もっともっと、THE オニササワールドがこの先に僕を待っているのだ。

そう思うだけで人生は豊かな物になった。

小浜に帰ったら友人に、作り方を改めて聞いて
おススメの食べ方など聞いてみよう。

どこかふわふわした気持ちでバイクのエンジンに火をともし
また、必ず来るからな、とつぶやきオニササワールドに別れを告げた。

そして、夢見心地の僕は、信号待ちでようやく現実に戻る。

「あ・・・・・・八重山ホンダへの道、聞き忘れちゃった・・・・・」

外伝

その日の内に小浜島で友人と会い、遂にオニササデビューを果たしたことを
告げた。

どうだった?と聞かれたので。

うーん、控えめに言って1000点だった。と言った。

今度はササミじゃなくてカツとかポーク挟んでごらん。
それはそれでめちゃくちゃ美味しいから。


そうか・・・・さらに奥深くへと僕を導いてくれるのか・・・・・

という会話をしてから数年・・・・・・

まだまだ、オニササワールドの全貌が明らかにならないほど
そのワールドは広く、深いです。

石垣に来て小浜島までの船の時間が少しある、とかそんな時
ぜひ、THEオニササワールドに足を入れてみてください。

後悔しないと思いますよ。

あ、そうそう、痔の薬なんですが結局石垣島で一番大きな薬局に電話したら
在庫めちゃくちゃあって、なんだよ!あんのかよ!と思いながら買いました。

ただ、あんなにレジで

「僕が使うんじゃないんですよアピール」
を考えた買い物もあまり無いですね。

結局、どうアピールしたら伝わるかわからずいつもより





元気にお尻を振って店内を歩きました。





おしまい!!





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