小浜島の近くの離島の秘密のお祭りにて 第2章 第3話

皆さんこんにちは!小浜島のチャンピオン、ヒロサ~です!
さて、小浜島の近くの離島の秘密のお祭りのお話の第3話です。

今回も、僕の身に大事件が勃発しています。
ほのぼの?した離島生活には必ずちょっとずれた面白さが隠れている
ものです。

必ず笑わせますので、ぜひブログをお読みください。

でも第1話から見ないと駄目だよ~

第1話


https://kohamajimablog.com/summerfestival2/

第2話

https://kohamajimablog.com/summerfestival2-2/


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、いよいよ、一年かけて待ちに待った結果発表の時間が来ました。

最初に船釣りの結果が発表されそしてカヌーの後、
僕と小学生がエントリーしていた磯釣り部門の結果発表になります。

「それでは優勝者から発表します!!!!」

そうか、優勝者から発表なんだな・・・・

多分エントリーが僕しかいなかったのかもしれないな・・・・

2連覇がいよいよ
現実のものになってきました。
優勝者しか、あの舞台に上がって表彰されることは許されないんだな。


さあ、優勝か・・・・緊張していますが

優勝か、優勝じゃないか、ではない気がします。

多分、壇上に上がることで注目されることでの緊張です。


・・・・ドックンドックン・・・・・

心臓が胸打ちます。

この瞬間だけを楽しみに1年間生きてきたのです。

さーー呼んでくれ。俺の名前を呼んでくれ。
優勝者はヒロサ~さんです!と呼んでくれ!

「優勝者は・・・・・・」


司会者の口が「ヒ」の形になりかけてます!!!!!!


「ヒ」と言え 「ヒ」と言え 「ヒ」と言え 「ヒ」と言え 「ヒ」と言え 「ヒ」と言え 「ヒ」と言え 「ヒ」と言え 「ヒ」と言え 「ヒ」と言え


すーーー・・・・・っ(司会者の息の吸う音)










「中山さんです!!!おめでとうございます!」
















そんな馬鹿な!










「ちなみに中山さんが釣り上げた魚は・・・・・・・・・・・・・




2キロの60センチのアカジン(高級魚)です!!!!!」














そんな馬鹿な!!








そして、中山さんが皆の声援を浴びながら
軽快に踊りながら舞台に上がって挨拶をしました。







「いやーーーー!ありがとうございます!実は私はこのお祭りが好きで

釣り大会では毎年チャンピオンだったのですが、

去年は台風で残念ながら参加できませんでした。


去年は残念ながら全然違う人に優勝されてしまったので


悔しい気持ちで一杯でした!!!!

でも今年優勝できてマジで良かったです!!!

ありがとうございます!!!!」














そんな馬鹿な!!!!   



































そんな馬鹿な!!!!









開いた口が閉じません。





僕は負けたのか・・・・・??


「恥ずかしさと、せつなさと、心弱さと」
で心も頭も満たされていきます。

走馬灯のように今までのことがフラッシュバックしてきます。

「昨年1匹釣っただけで3冠だったから
参加すれば間違いなく優勝できる、余裕の大会だと思って
1年間この祭りだけを楽しみにして仕事も繁忙期で忙しい中
仲間に無理言って休みとって、友人の
竜宮城のような海での夢のようなシュノーケルすら断念して
全身に刺さるような雨の中
刃物がないから素手で魚の内臓とったけど
クーラーボックスは荷物でいっぱいになっちゃってるから
クーラーボックスあるにも関わらず同じ手の指で
魚を掴んで持って
会う人会う人、皆に、宿の人にまで笑われながら、
危うく水虫用のシャンプーを使いかけて
さらに干しているパンツ
国歌まで歌いかけて、ノーパンのまま宴に参加して、それで?

去年は本当のチャンピオンが台風で来れなかっただけ?

しかも、釣り上げた魚、60センチ?2キロ?アカジン?

生まれてから見たこともないない大物じゃないか?

しかも俺今ノーパンだし。





ぱくぱくぱくと口だけが動いて意識はあの世に
飛ばされているようです。

現世への帰り方を完全に忘れた供養済みの妖怪みたいになっています。



呆然としながら友人の方を見ます。友人が笑いながら
言ってきました。

去年優勝した人って僕です!!!って言っちゃいなよ!!」

この一言でガタガタするくらい怒りに包まれたのですが
怒りにより現世に帰ってこれました。

酒だ・・・・

酒しかねぇよ。

酒だけがこの現世と僕を繋いでくれるという
気持ちになりました。

心も体も酒を欲します。


酒酒酒酒・・・・酒酒・・・・

優勝してビールかけしてんじゃないか?という位、酒を飲み続けました。

口にするもの全てがしょっぱく感じます。

優勝した人を見るたびに出てくる悔し涙が原因です。


見ろ!これが泥酔状態というんだ!わかったか!と叫んでます。


そしてステージ上で繰り広げられていたミニライブもそろそろ終わりを迎えそうでした。

最後は盛り上がる曲を演奏してくれました。
酔っ払った僕と友人はステージに駆け上がり演者に近づきました。

しかしそこで狂ったように激しい踊りを踊っている人がいました。




です。



酔い+音楽=最高なのは知っていますが

酔い+音楽+悔しさ=狂ったように踊る

という方程式が自分の中にはあることを知りました。

新しい数式を新発見しましたがそんなことはどうでも良いことです。

踊って、叫んで、飲んで、踊りまくりました。

身体から出てくる汗と叫びは、身体に閉じ込められていた悔しさを
体外へと放出させます。

優勝できなかったことは、思い出と言う箱にもう詰めてしまうことに
しました。

そして、汗と笑顔と叫び声の中、ライブは終了しました。

汗でシャツがびっしゃりです。余韻にひたりながらすっかり暗くなった
ことに気が付き、楽しかったな、なんてつぶやきながら友人と宿に帰ることにしました。

帰ったら1杯ひっかけるかーなどと笑いながら話し宿へ帰ります。
宿への道のりの途中でまた音楽が聞こえます。

なんだろうと思って覗いてみると、50人くらいは座れるスペースで
若者がアコースティックギターで弾き語りの練習をしています。

3人で覗いていると「この後さ、皆でライブして盛り上がるから来てよ」
と、そこにいた人に誘われます。

どうしよっか?などと言いましたが3人とも目がギラギラしてます。

まだまだ、祭りは終わらないのです。いや、終わらせたくないのです。

一回、宿に帰り財布などをとり、会場に向かいました。

ステージ上では先ほどとは別の方がギターを弾いてそれを
観客がうっとり聞いていました。

そして、何とそこにはプロのミュージシャンもいて、レベルの高い
ミニライブとなっていたのです。

うっとり聞いている中、友人のMがいてもたってもいられない!という感じで
「俺も行ってくるわ」と言いステージに向かいます。

「こんにちは!僕にも一曲演奏させてください!」などと言い
the Boomの島唄を弾きその場を盛り上げていました。

演奏を終えたMが僕たちの所に戻ってきます。

いや、この中でよく演ったな。本当Mはすげーな、なんて
言っていると司会者みたいな人が

「今日は小浜島からもゲストが来ています!」

と言います。



「それでは次は小浜島の皆さんの演奏でございます!宜しくお願い致します!
どうぞ!!!!」

なんて言われます。

誰の事?などと思いキョロキョロ見回します。

完全に嫌な予感に包まれます。

Mは喜ぶように「はーい」と言いながらステージに再び上がります。

そうか、やっぱり僕たちのことだったのか・・・・・・・


まてまてまてまてまて、3人で演奏ってなにすりゃいいの
出来るわけないじゃん!!!と思いますが
Mのせいで盛り上がった会場は熱を増し

「 こっはーま!こっはーま!こっはーま!!!! 」

とコールをし始めます。

怖い・・・怖いよ・・・・・

酔いがすごい勢いでさめていきます。

まてまてまてまて、できねーできねーって・・・・・




「 こっはーま!こっはーま!こっはーま!!!! 」




まてまてまてまてまてまてまて・・・・・・・・・・・・・






こっはーま!こっはーま!こっはーま!!!!




助けを求めるように友人Oを見ると
「早く行けよ。Mは本当にすげーけどヒロサ~は大したことねーんだよなぁ。」

お、お、お前は行かないんかい!


こっそり裏切られた上挑発までされてしまいました。

それではMが一人で何かやればいいのでは・・・・?と
壇上のMを見ます。




早く来いという感じで僕を見ています。




「 こっはーま!こっはーま!こっはーま!!!! 」

ためらっていても全く小浜コールは鳴りやみそうもありません。

仲間が欲しい。仲間が・・・・・しかし
何を歌えば良いのだ・・・・何を歌えば・・・・・

そうか・・・・BEGINだ、BEGINの曲なら皆知ってるし
盛り上がるかもしれない・・・・

こっはーま!こっはーま!こっはーま!!!!

BEGINの三線の花にしよう。

こっはーま!こっはーま!こっはーま!!!!

コードがわからねー。そうだスマホで調べよう・・・

こっはーま!こっはーま!こっはーま!!!!

全然覚えられねー。

こっはーま!こっはーま!こっはーま!!!!



もうだめだ!行くしかねー。

こっはーま!こっはーま!こっはーま!!!!


ステージに向かう僕にすごい拍手を浴びせてきます。

ステージはまるで死刑台のようにも感じました。




第3話完

第4話(最終話)に続きます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました