小浜島の近くの離島の秘密のお祭りにて

こんにちは!釣りも大好きです!離島大好きヒロサ~です。



いやぁ、夏休みですね☆夏がとにかく大好きです。
かき氷、スイカ、海、プール、蚊帳、キャンプ、シークヮーサー、花火・・・・

思いついたらキリが無い位夏が好きですね。


しかし、夏と言えば夏祭りじゃないでしょうか。
数年前ですが、ある離島で夏にしかないお祭りがあったので友人と二人で行ってきました。

離島に住んでいますが、八重山には有人島が沢山あるので他の島に
遊びに行くのはそれはそれで超楽しいのです。

このブログを読めば、なんていうか隙間がいつもよりちょっと空いているような
離島のゆるーい感覚がわかると思います。

離島で生活するのって、最高だよ~






今回はどこの島に行ったかは秘密です。
なぜ島名を隠しているのかと言うとおじさんとの約束だからです。



お祭りの参加人数は結局日本国民が1億3千万ほどいますが・・・・・

67人だけでした。


0.00000052%のみの激レアなお祭り・・・・・

宝くじ1等が当たる可能性が0.000005% なので、それよりさらに低い・・・・・

後で書きますが、黄昏時に行われたライブで島の年配の方がMCで
「お祭りのこと誰にも言うなよ!ちっさくやるのがいいんだからな!」って言ってました。

僕もたまたまこの祭りの
数日前にこの離島に泊まる機会があり、宿の方に教えてもらったのです。

祭りのプログラムは「船釣り」「磯釣り」「カヌーの早漕ぎ」のどれか好きなものにエントリーできます。
そして最後に夕暮れライブが行われます。



いやぁ楽しそう!

僕と友人2人は船釣りは、なんだかんだ、いつでも出来るんじゃないか?それならこの島の
地理を楽しめる「磯釣り」が良いのでは?と「磯釣り」にエントリーしました。


磯釣りの簡単なルールを聞くと、「重さ」「大きさ」「数量」の3部門で競うようです。

しかし、餌は持参してもらうようになっているとのこと・・・・
あっ・・・・実はそれは、この島に来る前に問い合わせで聞いていたのですが
肝心の餌を小浜に忘れてきました。

どうしようか。とオロオロしていると
大量のカツオのハラゴをくれました。
ハラゴなだけに、だいぶ太っ腹だぜ!最高すぎるぜ。

そして、制限時間になったら釣れても釣れなくても魚の計量も行う本部に
戻ってきて欲しいとのこと。安全確認も含んでいるとのことです。


釣れなかったら帰らない気持ちでいましたが、そういうことなら
帰ろうという気持ちになりました。

スタートの時間が来ましたので、はい!いってらっしゃい!
と激励されます。

終了まで3時間もあります。



しかし、実はとても有利にこの勝負をすすめられそうです。

離島とは言え、小浜島とそう遠くありません。潮の状況や
釣れる時間帯など、本土の参加者より僕たちの方が
詳しいのに決まっているからです。

でも、油断は絶対にしません。

僕たちが欲しいのは、実は勝利ではありません。

重さ、大きさ、数、全てで勝利し、3冠王をゲットする
織田信長のような天下統一、すなわち圧勝です。

そして、空気を読み、風を感じ、潮を見て
魚を釣ることに神経を集めます。





魚を釣りたきゃ魚になれ。
魚を釣りたきゃ魚になれ。

ブツブツと自分が人間だったころの気持ちを消していきます。



そして、自然と一体になった瞬間、魚が!
釣れました!

あーーー楽しーーーーーー。

しかし、慣れない土地で防波堤から滑り流血したり
足の裏を火傷してしまったり色々ハブニングはありましたが
痛がっている暇などあるはずがありません。

竿を投げてどんどん釣るしかないのです。

1秒が惜しい。

竿をひたすら投げ続け、とうとう3時間経ってしまいました。
疲労感の裏側には爽快感も漂っています。


それでは!皆様に、僕らが釣った魚をお見せしましょう!!!!



これです!!!!

































マダラエソ 身長12cm 体重8g 



・・・・・・・・・





・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・ルアーの方がでかくない?・・・・



もう一回!!






マダラエソ 身長12cm 体重8g

そして、気になる数は・・・・・・・

これ1匹です。




これが大人2人の全てなのです。

釣れた時はリリースしようと思いましたが
釣り部門では数の勝負もあるので
一応リリースせずにとっといたのです。


本部に戻らなきゃいけません。

綺麗な島で綺麗な海が輝いています。



エメラルドの海に囲まれながら、どでかいクーラーボックスに
8グラムの物を入れてとぼとぼとおじさん2人が歩きます。



・・・・不幸です・・・・・・

クーラーボックスの余りの軽さに正直、
マダラエソを捨てたほうがクーラーボックスは重たくなるのでは?
という錯覚すら覚えます。



本部に着きました。



「やっぱり見せらんねーよ。恥ずかしいから捨てよう



「・・・・・・うん・・・・・・」


という会話をしていたら

「待ってましたよ!」



と本部の方に見つかってしまいました。



「釣れた魚、確認しますねー」
とクーラーボックスを開ける本部の方・・・・

「いや・・・・やめて・・・・」

つぶやく僕。



パカッ



空白だらけのボックスの底にちょこんと横たわるマダラエソ。

目はしっかり開いていました。



「う?」



という顔をし、上目遣いで僕たちを見る本部の方。



・・・・・コクンと首をかたむけうなずく僕。

と、島の人は僕のうなずきで何もかも悟ってくれました。


しかし、計測しなくてはならないのでしょう。

「それでは計測器はこちらですね・・・・」

とマダラエソをティッシュをつまむような感じで持って行ってしまいました。



それでもマダラエソは目を閉じず、現実に耐えているようでした。



マダラエソにお別れを告げ、もう本部に用はなくなったので宿に戻ることに
しました。

ふと、気持ちを取り戻すように頭をあげると、さっきから慰めてやるって言ってるのに、という
感じでとても素晴らしい夕日が海を照らしており、僕たちの憂鬱や疲れを
オレンジに染め上げていきました。





宿にあるシャワーを浴びて、黄昏のライブに行くことにしあした。

そのライブは信じられないような美味しい食事が出て
島の方の演奏や踊りがありかなり盛り上がり最高でした。



ライブもたけなわになったところで、僕たちにとってはもはや関係のない
大会の結果発表がありました。


そういえばマダラエソどうなったんだろうな?
誰か食べたのかな?笑
などと話しすでに二人の間ではマダラエソしか釣れなかったことなど
笑いのネタになっています。

磯釣りの結果発表は最後に行われました。


他の参加者がどのような魚を釣り、どれくらいの数の魚を釣り上げたのか
ワクワクします。



「さあ!磯釣り部門の結果発表を行います!
今年はなんと
「大きさ部門」と「重量賞」は同じ人が受賞しました!
それではお名前お呼びされた方は表彰台までどうぞ!」

と言い、司会者が優勝者の方の名前を呼びました。

























「ヒロサ~さんです!!!」



・・・・・・・・・・・・え?



・・・・・・・・・・・・・・・・え?え?



「ヒロサ~さん、優勝おめでとうございます!!」



なんのことか分からず、噛むのを忘れた天ぷらが口からあふれ出します。



優・・・・・・勝・・・??

周りを見渡してもヒロサ~というのは僕だけですので
人違いではなさそうです・・・・・



壇上で全然信じられない気持ちのまま、賞状を受け取ります。
それも2枚。

・・・・・一体、これは現実なのか・・・・・



空白の頭に水を一滴垂らすように一つ、急に思い出しました。

カヌーの早漕ぎ大会や船釣り大会では優勝者の発表と共に
必ず、タイムや数量の記録が皆の前で発表されていました。






あかん・・・・このままでは
身長12cm 体重8gのマダラエソが発表されてしまう。

絶対に笑われる。

うわー、どうしようどうしよう。

赤くなってきた顔は日焼けのせいではありません。



それだけは・・・・それだけは・・・・・



優勝したのにまるで判決を待つ犯罪者のみたいになってます。



しかし、島の人の優しさに胸を打ちました。

記録発表は僕だけありませんでした。

さすがにまずいと思ったのでしょうか・・・・・
優勝者なのに気を遣わせてしまって本当すみません・・・・

そして賞状だけを渡してくれました。

壇上から降りた僕に友人は「良かったね」なんて声をかけてくれます。

「それでは次に「数量部門」の優勝者を発表します!!」

「Sさんです!(僕の友人)」

ふおーーーーーー!と叫びながら壇上に行くS

マダラエソ1匹で三冠とった瞬間でした。

天下統一の夢が叶った瞬間でした。

そして、実行委員長が
「この宴の魚は全部、今日釣れた魚です!皆で感謝して食べましょう!!」



と言ってくれました。




皆にありがとう!なんて言われ

無駄に感謝され

笑顔で返す僕ら。


しかしマダラエソはどこ行った?
実行委員長が言うようにテーブルにあるのか??

もう一度会いたい。

そして、また会えるなら、せめて伝えたいことがあるんだ。
「ありがとう」と!!!!

どこだ??と探しますがとうとう見つかりませんでした。

誰かに食べられたのなら良いですが

本部の方が半笑いで捨てたんじゃないか?という気持ちを
ぬぐうことは出来ません。



しかし、もはや彼と会う術はありません。

仕方ないので諦めることにしました。







島の方が
「この祭りのこと誰かに言ったらもう景品もらえなくなるぞ笑 
ひっそりやるのが楽しいんだからあまり言うなよ」



って言っていました。


ふと「成功」とはなんなんだろうと考えます。


普通でしたらお祭りや催し物は集客数により成功、不成功が
分かれると思います。

しかし、この祭りの「成功」はそこに置いていない。

「自分たちが楽しめる範囲で、参加者全てが皆で楽しく盛り上がるために
人数は少ない方が良い」


僕と友人は3冠王になったばかりなのにまたまた衝撃を受けました。



「これだな。これでいいんだよ。」

二人でつぶやきました。

(この経験から僕は小浜島でも祭りを開く決意をし、
数年後「歌魚祭」として花開くことになるのですが、
「歌魚祭」に関してはまた別記事で必ず書きたいと思います。)

「価値観」は十人十色で正解不正解も無いですが島の人々の
価値観はいつも僕に大事な物に気が付かせてくれます。

奥行の深い人間になったらこの価値観が身に着くのか
この価値観が身に着いたから奥行の深い人間に見えるのか。


このお祭りが僕にくれたのは三冠王だけではなかったのです。


また、必ず、参加するぞと心から決意しました。

PS

こちらのお祭りに1年後に再び遊びに行ってきました!
良ければ読んでください。

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